【連載】「解体から再生へ」―ルクセンブルクパビリオンが挑んだ循環の物語

第1回 パビリオンは終わらない——ルクセンブルクの循環への挑戦

02/04/2026

第1回 パビリオンは終わらない——ルクセンブルクの循環への挑戦

2025年4月に開幕し、同年10月に閉幕した大阪・関西万博は、開幕からまもなく1年を迎えようとしています。184日間にわたり多くの来場者で賑わった会場・夢洲では、現在多くのパビリオンや施設の解体工事が進められています。

ルクセンブルク大公国が出展したパビリオン「Doki Doki–ときめくルクセンブルク」はルクセンブルクの人々や技術、その自然に親しむことのできるパビリオンとして人気を集めました。会期後半には連日4-5時間の待ち列ができ、会期中には述べ37万8,000人の来場者を迎えました。

©GIE Luxembourg @Expo 2025 Osaka Vincent Hecht

ルクセンブルクパビリオンも他のパビリオンと同様、閉幕と同時に建築物としての役目を終え、解体工事が開始されました。しかしルクセンブルクパビリオンのストーリーは、解体をもって完結する訳ではありません。

ルクセンブルクパビリオンは、閉幕後の解体と再利用を前提とした「サーキュラー・バイ・デザイン」(循環型設計)に基づいて設計されました。万博終了後に建物を解体し廃棄するという従来の前提を見直し、設計段階からパビリオンの解体方法および部材の再利用を見据えています。このコンセプトによって目指しているのは、資源を経済的に循環させていく、徹底した「循環経済」の達成です。

©GIE Luxembourg @Expo 2025 Osaka Vincent Hecht

解体撤去工事完了を目前に控える中、ルクセンブルク政府の循環経済達成に向けた方針のもと、デザインチームおよび日本のパートナー企業の協力により、ルクセンブルクパビリオンは循環経済のパイロットプロジェクトとして成果を結びつつあります。パビリオン躯体を構成していた建築部材や設備、家具等の多くが廃棄されることなく回収され、今後のプロジェクトにおいて再利用されていく予定です。これは、世界的に見ても建築業界における循環性の取り組みが極めて少ない現状においては、画期的な出来事です。

 

本連載「『解体から再生へ』―ルクセンブルクパビリオンが挑んだ循環の物語」は、こうした循環経済達成に向けた我々の取り組みの成果を記録し広く共有することを目的として開始するものです。全10回にわたり、パビリオンのコンセプトや再利用プロジェクトについて、分かりやすくご紹介してまいります(内容は予告なく変更となる場合がございます)。是非、大阪・関西万博ルクセンブルクパビリオンの、まだ続いていくストーリーにお付き合い下さい。

 

1回 パビリオンは終わらない——ルクセンブルクの循環への挑戦

2回 「サーキュラー・バイ・デザイン」とは何か

3回 循環の哲学と実践を議論する:循環経済カンファレンスの開催

4回 部材編① 膜屋根があなたの手元にー大人気の予約販売

5回 部材編② 地中から掘り起こされた巨大ブロックの行方

6回 部材編③ 外装パネルが新たなの建物の建築現場に

7回 部材編④ 鉄骨構造がつなぐ未来

8回 部材編番外 ボウリングレーンの意外な再出発

9回 家具・備品編 家具と備品がつなぐ万博とその後の時間

10回 植栽編 植栽が根付く次の場所

 

是非本連載を通じて、ルクセンブルクパビリオンの生み出す新たな価値や、循環経済への取り組みについてご関心をお寄せいただければ幸いです。

 

ルクセンブルクパビリオンの設計、建設、再利用に携わったパートナーの皆さま

建築事務所:

STDM

みかんぐみ

空間デザイン:

jangled nerves

施工業者:

株式会社内藤ハウス(総合建設事業)

大日本印刷株式会社(内装工事)

BeWunderAVL演出)

コンストラクション・マネジメント:

フロンティアコンストラクション&パートナーズ

循環経済コンサルタント:

+ImpaKT

再利用パートナー:

株式会社モンドデザイン

ネスタリゾート神戸

株式会社船場

神工建設

大阪府交野市

楽天グループ株式会社

株式会社イー・ユニット

大日本印刷株式会社

上智大学

フロンティアコンストラクション&パートナーズ

スズカト(三重県立鈴鹿青少年センター)

demo!expo

平田運輸株式会社

大阪府岸和田市

京都府南丹市

大阪府柏原市

大阪府池田市

 

本件に関するお問い合わせ先はこちらまで:

ルクセンブルク貿易投資事務所 松野・星

TEL. 03-3265-9621

Email. yuriko.matsuno@mae.etat.lu / ayae.hoshi@mae.etat.lu