エグゼクティブ・ディレクターのメッセージ(1-2月)
当事務所では、昨年12月より中丸直哉が副所長として着任し、また大阪に出向していた星文絵が年初より東京での勤務を再開しました。昨年の大規模使節団受け入れでパワーアップした石黒と、私の4名体制で活動して参ります。これからもご高配を賜りますようお願い申し上げます。
エグゼクティブ・ディレクターのメッセージ(1-2月)
昨年は大阪・関西万博が開催され、ルクセンブルクは独自パビリオンを出展しました。おかげさまで大阪万博でのルクセンブルク館は盛況のうちに閉幕し、合計 37 万8,000 人の来場者を迎えました。ルクセンブルクのロイヤルファミリーや閣僚をはじめとする多くの要人に加え、会期中来日した3つの経済使節団には、95 の企業・機関から 160名が参加し、両国の経済交流を押し進めました。 関連行事の開催にあたり、ご協力頂いた多くの機関、企業の皆様に改めてお礼申し上げます。ルクセンブルクパビリオンは、親しみやすくエンターテイメント性のある展示内容と、ルクセンブルクのホテル・レストラン学校から来日した生徒たちが調理・サービスするカフェエリアが好評で、会期後半には4-5時間待ちが常態化する人気パビリオンの一つになりました。
実は、本パビリオンのもう一つの目玉は建築における循環経済のパイロットプロジェクトという側面です。「サーキュラー・バイ・デザイン」のコンセプトを掲げ、設計から解体後の実際の建築資材再利用まで、徹底して循環性達成を目指してきました。万博閉幕直前に行われた、博覧会国際事務局(BIE)賞表彰式にて、「建築・景観」「展示デザイン」「テーマ解釈」「サステナビリティ」の 4 部門のうち、ルクセンブルクパビリオンがサステナビリティ賞に輝きました(※敷地面積 1500 ㎡未満、独自建設パビリオンの部門)。デザインの実現から各部材の再利用プロジェクトまで、循環経済達成に一緒に取り組んで下さったパートナーのご協力のおかげです。
パビリオンは現在も解体工事中ですが、再利用される各部材が順次パートナー側に引き渡され、再利用プロジェクトが始動します。その中には、膜屋根を再利用したバッグ生産(モンドデザイン)、コンクリート基礎ブロックのリゾート施設での再利用(ネスタリゾート、船場)、鉄骨の一部を利用した公共施設計画(交野市)、外壁パネルのコンクリート基礎型枠への再利用(神工建設)、VIP室内デザイン家具の再販(イー・ユニット、楽天市場)、内装木材をアップサイクルした椅子(DNP)、植栽の寄贈、移植(内藤ハウスなど)があります。 我々にとって万博はまだ終わっていません。再利用プロジェクトの完遂を見届けるまで伴走して参ります。
万博関連の来日事業の影響か、一般的なトレンドか、ルクセンブルクにおける日本への関心が非常に高まったと感じています。先日ルクセンブルクに出張した際には、街中で日本のものや日本風にアレンジしたメニューを出す店が増えており、会話の中でも日本に行きたい、ファンだという声が多かったです。来年2027年はルクセンブルグと日本の国交樹立100周年記念に当たります。昨年得たご縁を生かして周年を祝いたいと思います。
昨今、不安定な世界状況を背景に、日本企業がヨーロッパ市場を見直す動きが増えてきていると感じます。2012年からルクセンブルクで開催されるテックイベントに日本のスタートアップを招聘してきましたが、今年6月10-11日に開催されるNEXUS LUXEMBOURG 2026 のルクセンブルク政府招待ブース枠には過去最大数の応募をいただきました。有望な企業が多く、またルクセンブルク側で日本への関心が高いことから、多くの日本企業が選考され、現地で有益な経験をされることを願います。
昨年ルクセンブルクではデータの主権確立を目的に3つの戦略を表しました。それはAI戦略、量子戦略、データ戦略です。欧州連合にはAI分野での競争力強化と独自のAI主導権(ソブリンAI)確立を目指し、生成AIの訓練・開発に特化したスーパーコンピュータインフラを構築・提供する取り組み「AIファクトリー(AI Factories)」があり、ルクセンブルクはこの試みにいち早く参画し、自国内のHPC(ハイパフォーマンスコンピュータ)の計算能力を企業ならびに研究機関に積極的に開放しています。同HPCには量子レイヤーを年内に実装する計画で、量子コンピュータが実用化する社会に備える事を目指しています。こうした流れを受けて、昨年11月25日にルクセンブルクの国立開発金融公庫と、ルクセンブルクに拠点を置くディープテック投資会社のブルハウンド・キャピタルの来日を機に、量子コンピュータと金融をテーマにしたセミナーを当事務所と都内で共催しました。
つくば市との交流が継続しています。昨年12/3に開催された JETRO 茨城主催の 『Tsukuba x Luxembourg Startup Night 2025』にて、つくばのスタートアップコミュニティーに向けて、ルクセンブルクの事業環境を紹介しました。つくば市は2022年12月にルクセンブルクの政府機関であるLUXINNOVATIONとスタートアップ支援に関するMoCを締結し、交流を続けています。今年2月には、市の関係者にルクセンブルクをご訪問頂き、パートナーであるLUXINNOVATIONの案内で、複数の研究開発拠点を視察頂きました。
ルクセンブルクワインへの注目も増しているようです。これまで輸入されていなかった銘柄を扱うインポーターの方が増え、幅広いワインを楽しんでいただけるようになりました。今年のお花見にはルクセンブルクワインもぜひご検討ください。
当事務所では、昨年12月より中丸直哉が副所長として着任し、また大阪に出向していた星文絵が年初より東京での勤務を再開しました。昨年の大規模使節団受け入れでパワーアップした石黒と、私の4名体制で活動して参ります。これからもご高配を賜りますようお願い申し上げます。
ルクセンブルク貿易投資事務所
エグゼクティブ・ディレクター
松野百合子